霜小倉8/100
わが妹よ みよこの立つ身 鹿とする
世をうぢ山と 人はいふなり
/貴賎坊
現代語訳
わたしの恋人よ。このいきり立つ股間をごらんなさい。鹿とでも致せるほどのこの逸物を。
世間の人たちはわたしが世を憂いて宇治の山にすんでいるなどと噂をしているらしいがな。
解説
鹿茸という、精力剤の原料にもされる鹿の角。
当然鹿の精力もたいしたものでございます。
そんな鹿とだってまぐわえるほど私は元気だと詠っています。
世をうぢ山と 人はいふなり
「憂じ」と「宇治」がかかっています。
昔の恋人が出家した貴賎坊をたずねてきたのでしょう。
その人にいきり立った股間をみせつけて大笑する貴賎坊の豪快さが感じられます。