霜小倉22/100
福原に わきの臭きを しらるれば むべあはひめを あはしといふらむ
/糞屋康秀
現代語訳
福原中に腋臭がばれたら嬢がとたんに淡白になった。
なるほど、だから泡姫のことを泡師(淡し)というのだなぁ。
解説
【福原に】
福原遊郭というものは明治の開国以降にできたといわれていますが、平清盛の時代には首都でございましたから、実はすでにあったんですねぇ。
【わきの臭きを しらるれば】
この時代、毎日お風呂に入る、湯浴みをするということはなかったのである程度は臭うものでしょうが、よっぽど臭かったのでしょうか。自己臭妄想かもしれませんが。
【むべ】
なるほど。
【あはひめを あはしといふらむ】
「あはし」は「泡師」、泡の仕事人と「淡し」、淡白なといった意味をかけてあります。
「泡姫(ソープ嬢)のことを泡師などという色気のない、淡白な呼び名でよぶのはそういうことか。ここでの恋は幻だ。
バーチャル恋愛にたいする深い絶望が詠まれていますね。
作者の康秀は
小芽小町
と親密であったそうで、三河に就任するおりに小町をさそっております。当時おちぶれていた小町はこれにこたえてついていったそうです。かなしいうしろ姿が目に浮かびます。