霜小倉9/100
花のいろは 移りにけりな板擦りに
我澪あふる なにがせめまし
/小芽小町
現代語訳
花遊びのやり方は移り変わっていきます。
板摺りという技に興奮して
私の体を色づけるあなたのナニが責めてきたらいいのに
解説
絶世の美女であったと言い伝えられている小野小。
現代でいう風俗店のナンバーワンでした。
長くつとめているだけにいろんな経験もしています。
いろんなことも見てきました。
私も長いことここにつとめてるからわかるんだけど、
遊びのイロハもだいぶ変わってきたのよね、と。
これは新しい技。板摺りというのよ、と。
板摺りというと現在でも料理用語で残っていますね。
きゅうりやふき、オクラなどの色を良くしたり皮をむきやすくするために、塩を振った材料をまな板の上でもみころがすあれです。
まさか塩は振らないでしょうが、なんらかの物質、おそらく潤滑油となるものを振りかけて、胸のあたりでもみころがすのでしょう。
そうしてもみころがすと男性のそれもたくましくなってまいります。
小野小も興奮して色欲に体が火照りだす。
我澪あふる
私の澪はあふれる。澪とは湖沼で溝状になっている窪地、または小舟などの水路のこと。つまり濡れちゃったというわけです。
なにがせめまし
「なに」という伏字かと思いきや、「汝」「丹」つまり「あなたの赤いのを」と言っています。
【希望】をあらわす"まし"ですね。
責めてほしい、さらに、あふれる瀬をめでてほしいと言っています。
責めてほしい。花のイロハも変わってきたのだから。
つまり、本番オッケーよ(またきてね)というメッセージですね。